テーマ:永代橋

【第二十七夜】 雨の九段下

夜の坂道に雨がふっている。まもなく上からわたしと彼女が下りてくるはずだ。わたしは坂下でそれを見ている。雨はしっとりと坂道を黒くぬらしている。 鳥居の影で男がさっきからサキソフォンを練習している。こんな夜にこんな場所でいったいなんのつもりだろう。曲は≪三文オペラ≫のなかのものらしい。 わたしたちは、坂の上の寿司屋のテーブル席で…
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【第二十五夜】 伝通院の除夜の鐘

東京で最後に住んだ場所が伝通院ちかくであったためか、夢に出てくる東京もその近辺が多いようだ。それから、いわゆる川向こうと呼ばれる深川・本所・向島一帯もよく夢に見る。職場から近い、というだけの理由だけで選んだ寓居が、思いもかけず日和下駄をならして東京を散策し江戸の夢を追いかけたあの荷風先生が生まれた家から遠からぬ場所にあったことは偶然であ…
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