テーマ:シナ学

【第六十二夜】 別れの儀式

この冬のおくればせな大寒波がはじまった先月末の日曜に、わたしたち夫婦はあるシナ学者の伝記映画を見にちょっと遠出をした。 途中、家内が、だいたいこのあたりがS夫人の故郷なのだ、とわたしに告げた。なぜS夫人のことを思い出したのかといえば、その一週間ほど前にS夫人からひさしぶりの電話があり、原因不明の背中の痛みの検査のためまもなく入院す…
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【第五十一夜】 バロック教会の足音

夢でどこかの教会にいた。ドイツ南部にあちこち点在するバロック教会のひとつだろう。明るい天井画から天使たちが落ちてきそうな午後である。 わたしは師と二人で隅から隅まで輝かしく厳粛な中にも生の歓びに満ちた世界にうっとりとしていた。師の歩む速度はきわめて遅い。 一度なぜかと尋ねたことがあった。 なに、子供たちが幼いころその歩…
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【第五十夜】 M先生の思い出

別の場所で、マオ・ドンの『子夜』について話をしたのだったが、それでマオ・ドン(茅盾)の専門家であるM先生のことを思い出した。あえてお名前は記さずとも少しシナ文学を知る方なら、ああ、あのM先生、とわかるはずである。 しかしわたしは先生の弟子でもなんでもない。ただ一年だけその講義を拝聴しただけなのである。先生は少しもきどったところがな…
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